こんにちは!クラフトビール愛好家のりほです。日本ビアジャッジ資格を持ち、2024年にはJGBAの審査にも参加しました。ふだんはシアトルを拠点に、アメリカと日本のブルワリーを巡っています。
今回訪ねたのは、カリフォルニア州オレンジカウンティ・プラセンティアにあるThe Bruery Tasting Room。訪問は2026年6月中旬、公開は同年7月です。日本ではプレミア価格でしか出会えなかったThe Brueryのボトルが、棚一面に並んでいました。値段を気にせず一本を選べる。それだけで胸が高鳴ります。すぐ近くにはBrewery X(アナハイム)やBottle Logicがあり、いずれも車で5分ほど。ビアギークにはたまらないエリアです。
The Brueryは2008年、パトリック・ルー(Patrick Rue)氏が家族とともに創業したブルワリーです[1]。ブランド名は、家族の姓「Rue」と「brewery」を掛け合わせた造語。バレルエイジのインペリアルスタウトやサワーエールが世界的に評価され、その名が広く知られるようになりました。いまはホップフォワード(苦味・香りの主体となるホップの個性を前面に出したスタイル)のOffshoot Beer Co.、サワーのThe Bruery Terreuxという別ブランドも抱えています。南カリフォルニアでも指折りの造り手です。
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📍 アクセス・基本情報
| 🏭 醸造所名 | The Bruery Tasting Room(ザ・ブルワリー) |
| 📍 住所 | 717 Dunn Way, Placentia, CA 92870, USA |
| 🚗 アクセス | アナハイム中心部から車で約15分。Brewery X・Bottle Logicから車で約5分 |
| 📞 電話 | +1 714-996-6258 |
| 🍺 タップ数 | 40種超のドラフト(バレルエイジスタウト・サワー・IPA・ラガーなど) |
| 🎉 イベント | 週替わりフードトラック・毎週のトリビアナイト等 |
| 🌐 公式サイト | thebruery.com(プラセンティア店) |

Brewery XもBottle Logicも車で5分ワン!このエリア、1日で何軒も回れちゃうワン♪
🏭 施設の雰囲気と、The Bruery の歩み・哲学
テイスティングルームに足を踏み入れると、店内は明るく開放的。スタッフの応対も気さくで、初めての来店でも肩の力が抜けました。タップは40種超。看板のバレルエイジスタウトからサワー、OffshootのIPAまでずらりと並びます[8]。週替わりのフードトラック、毎週のトリビアナイト。飲んで、語って、学べる場所でした。
法律家志望からブルワーへ — パトリック・ルーの創業ストーリー
創業者パトリック・ルー氏は、もともとロースクールに通う法律家志望でした。気晴らしに始めたホームブルーイングに、どんどんのめり込んでいきます。やがて州司法試験の勉強に充てるはずだった時間を、ビジネスプランづくりに注ぎ込みました[1]。そして2008年、家族とともにThe Brueryを創業します。ジャンルの境界を平気で越えていく実験精神は、ルー氏のこの出発点そのものから来ています。
パトリック氏の凄みは、造り手という枠にとどまりません。2014年、ビールの資格制度Cicerone®の最上位、Master Cicerone®に合格します[2]。同じ年に認定されたジェームズ・ワット氏とあわせ、世界の取得者はようやく9人に。パトリック氏はその8人目でした。スタイル・提供技術・醸造・ペアリングまでを問う過酷な試験を、彼は突破しています。

Master Cicerone®はCicerone認定制度の一番上のランクだホプ!創業者自身が世界9人目までの取得者って、味づくりへの説得力が段違いだホプ!
「IPAは造らない」— その約束が生んだOffshoot Beer Co.
The Brueryには「本体ブランドではIPAを造らない」という方針がありました。それでも造り手たちは、自分たちならワールドクラスのホップフォワードを造れると信じていました。その情熱の受け皿が、2017年に立ち上がった別ブランドOffshoot Beer Co.です[3]。本体の約束は守る。IPAは別ブランドで思いきりやる。粋な落としどころでした。僕もこの日Offshootを飲み、The Brueryの懐の深さを実感しました。
Offshootの代表作といえば、ヘイジーIPAのRelax [it’s just a hazy IPA]。Citra・Amarillo・Centennial・Simcoeと、果実味の強いホップを4種重ねています。そこにLondon III酵母のやわらかく丸い口当たりが加わり、Offshootの看板として親しまれる一杯になりました[4]。ヘイジーIPAの系譜そのものが気になる方は、Hazy IPA(NEIPA)の系統樹もあわせてどうぞ。

「本体ではIPAを造らない」を守りつつ、別ブランドで思いっきりIPAをやる。この割り切りがThe Brueryらしくて好きだなあ。
Offshootを率いるダレン・モーザーの経歴
Offshootの醸造を語るうえで外せないのが、ダレン・モーザー(Darren Moser)氏です。UC Davis Extensionのマスターブルワーズ認定プログラムを修了後、バークレーのTrumer Brauereiでキャリアを始めました。シフトブルワーからProduction Managerまで昇進した実力派です[5]。その後はハワイのMaui Brewing Co.でDirector of Brewing Operations兼ブルーマスターを担当。LAのIron Triangle Brewingでブルーマスターを経て、The Brueryへ加わりました。ドイツ系ラガーの本場流、南国ハワイ、そしてホップフォワード。畑違いの現場を渡り歩いた経験を、モーザー氏はOffshootの一杯に注いでいます。
サワー部門「The Bruery Terreux」とDogfish Headの友情コラボ
サワー・ワイルドエール部門を担うのが、コブランドのThe Bruery Terreux(“土っぽいBruery”の意)。ここでは、パトリック・ルー氏とDogfish Head創業者サム・カラジオーネ氏の長年の友情から、一つのコラボが生まれました[6]。フレンチオークのフーダー(大型木樽)で熟成させたエール3部作です。ラベルの名前とアートワークはカラジオーネ氏が手がけました。ボトルへの貼り付けは、Terreuxのチームが1本ずつ手作業。そこまでやるのかと唸る仕事ぶりです。背景を知って飲むと、同じサワーでも受け取り方が変わります。

フーダーは中の微生物叢が樽ごとに個性を持つホプ!だからTerreuxのサワーは同じレシピでも一樽ずつ表情が違うホプ!
📸 現地訪問の様子
実際の訪問の様子はInstagramでもご覧いただけます👇
🍺 この日味わったビール
この日はちょうど周年ビールが出ていて、うれしい巡り合わせでした。Offshootのホップフォワードな一杯も、The Brueryのサワーも、どれもスルスルと喉に入っていきます。とりわけサワーは、酸味がしっかり主張しながらも尖りません。酸が全体の輪郭をまとめ役として整えています。飲み進めるほど、これが“Bruery味”かと腑に落ちました。
※提供銘柄はローテーションで日々変わります。以下は当日いただいたThe Bruery系サワーの、僕の個人的なテイスティング印象です(数値は主観評価)。
| 味わい要素 | 強度(1-5) | 特徴 |
|---|---|---|
| 🟠 苦味 (Bitterness) | 2/5 | 控えめ。サワーらしく苦味は前に出ない |
| 🟢 甘味 (Sweetness) | 2/5 | ほのかな麦芽の甘みが酸味を支える |
| 🔵 酸味 (Acidity) | 4/5 | 心地よい主張。尖らず全体を丸くまとめる |
| 🟣 ボディ (Body) | 3/5 | スルスル入る軽やかさと余韻の両立 |
| 🟡 アロマ (Aroma) | 4/5 | 樽由来の複雑さと果実的なニュアンス |

酸っぱいのに角がなくて、まあるいワン!周年ビールに出会えたのもラッキーだったワン♪

サワーって身構える人もいるけど、Brueryのは酸味が全体をまとめる役なんだよね。入門にもいいと思う。

OffshootのRelaxはCitra・Amarillo・Centennial・Simcoeの4種使いだホプ!果実感とやわらか口当たりの両取りが設計の妙だホプ!
🌐 Web評価・口コミ
The Brueryの評価を、主要なビール専門サイト・口コミサイトで調べました(数値は本記事執筆時点で確認できたもの)。
🏅 受賞・コラボ・注目情報
コラボの話でまず挙げたいのが、Dogfish Headとの共作です。パトリック・ルー氏とサム・カラジオーネ氏の友情から、The Bruery Terreux×Dogfish Headのフーダー熟成エール3部作が生まれました[6]。両者の名を並べたこの3部作は、いまもファンのあいだで語り草になっています。もう一つ、看板のインペリアルスタウト「Black Tuesday」も外せません。年に一度のリリースには長い行列ができ、コレクターが競って買い求める限定銘柄です。
なお、GABF(Great American Beer Festival)等の個別メダル受賞歴には、あえて触れていません。本記事執筆時点で、公式受賞リストと1対1で確実に紐付けられる情報を確認できなかったためです。最新の受賞情報は公式サイトでご確認ください。

受賞歴は裏が取れたものだけ書くのがrihobeer流。Black Tuesdayの行列文化は一度体験してみたいなあ。
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サワーやヘイジー、おうちでもいろいろ試したくなったワン!

The Brueryの日本入手は限定的だけど、サワーやヘイジーIPAなら国内外の銘柄が通販でも探せるよ。定期便で幅広く飲むのもおすすめ!
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🏆 総合評価: 4.5/5 ★★★★☆
| ビールの質 | ★★★★★ (5.0/5) |
| 雰囲気・接客 | ★★★★★ (5.0/5) |
| アクセス | ★★★★☆ (4.0/5) |
| 総合スコア | ★★★★☆ (4.5/5) |
| コメント | サワーとバレルエイジの奥深さ、明るい店内と親切な接客。Brewery X・Bottle Logicとあわせて再訪したい聖地 |

次はもっとゆっくり滞在して、Bottle Logicとハシゴしたい。近くのEverywhereも気になるところ!
🔗 同じ日に巡った醸造所
- Brewery X(アナハイム, CA)(WBC金賞IPAで知られる大型ブルワリー・車で約5分)
- Unsung Brewing Company(アナハイム, CA)(ヒーローをテーマにした受賞歴ブルワリー)
- Green Cheek Beer Co.(オレンジカウンティ)(World Beer Cup金賞の実力派)
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シアトル在住の筆者が巡る北米ブルワリーレポートはこちら: https://rihobeer.com/category/beer/brewpub/usa
⚠️ 免責事項
本記事の情報は執筆時点(2026年7月)のものです。営業時間・提供銘柄・価格・イベント内容は変更される場合がありますので、訪問前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。ビールのテイスティング評価は筆者個人の感想です。また、本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。飲酒は20歳になってから。飲んだら運転はしないでください。
📚 出典・参考情報
- 【二次】 The Bruery – Wikipedia(創業2008年・パトリック・ルーによる創業・社名の由来/2026年7月取得)↑本文へ戻る
- 【一次】 Cicerone Certification Program「Patrick Rue(Master Cicerone)」。【二次】 All About Beer「Patrick Rue, James Watt Earn Master Cicerone Title」(2014年10月)。詳細は2026年7月に取得しました。↑本文へ戻る
- 【一次】 Offshoot Beer Co. 公式ページ(The Bruery)(別ブランドとしての設立経緯・2017年開始/2026年7月取得)↑本文へ戻る
- 【一次】 Relax 製品ページ(Offshoot Beer Co. / The Bruery)(使用ホップ・酵母・人気銘柄である旨/2026年7月取得)↑本文へ戻る
- 【二次】 The Full Pint「The Bruery Welcomes Darren Moser」。UC Davis・Trumer Brauerei・Maui Brewing・Iron Triangleでの経歴を紹介しています(2026年7月取得)。↑本文へ戻る
- 【二次】 CraftBeer.com「The Bruery and Dogfish Collaborate on a Trio of Foeder-aged Ales」。ルー氏とカラジオーネ氏の友情・フーダー熟成3部作について報じています(2026年7月取得)。↑本文へ戻る
- 【一次】 The Bruery Tasting Room(Placentia)公式ページ(40種超のタップ・フードトラック・トリビア/2026年7月取得)↑本文へ戻る
- 【二次】 Untappd「The Bruery – Placentia, CA」(ブルワリー評価4.08・約222万件/2026年7月取得)↑本文へ戻る
- 【二次】 BeerAdvocate「The Bruery | Placentia, CA」(評価4.06・約531件/2026年7月取得)↑本文へ戻る
- 【二次】 Yelp「The Bruery – Placentia」(1147件のレビュー/2026年7月取得)↑本文へ戻る

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