おすすめクラフトビール : Godspeed / Sutoko (Vintage Stock Ale 7.3%)

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rihobeer

IT系の会社員として働きながら、大好きなクラフトビールの世界で活動中!日本のビアジャッジ資格を取得し、新米審査員として2024年のJGBAに参加しました。東京での活動を経て、現在はシアトルに拠点を移し、2027年末までアメリカでビール文化を学びながら楽しんでいます。

ビールの魅力を発信するのが私のライフワークです。「ビールをもっと身近に」をテーマに、業界に貢献できることを探しながら、ビールに関わるお仕事やプロジェクトにも積極的に挑戦したいと考えています。

もしお手伝いできることがあれば、ぜひお気軽にご連絡ください!SNSやメール(riho.dare at gmail.com)でのご連絡を楽しみにお待ちしています。クラフトビールを通じて、皆さんとつながれる日を楽しみにしています!

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【伝統製法】ストックエールの完全レビュー – 19世紀イングランドの醸造技術を現代に

今回は、19世紀のイングランドで愛された伝統的な醸造方法で作られた「ストックエール」をレビューします。オーク樽を使った熟成がもたらす複雑な風味と、モルティな味わいが特徴のこのビールは、クラフトビール愛好家だけでなく、歴史的な醸造法に興味がある方にもおすすめです。アルコール度数7.3%の奥深い味わいをぜひ体験してください。

ストックエールの基本情報

  • ビアスタイル: ストックエール
  • アルコール度数: 7.3%
  • 容量: 500ml ボトル
  • 使用ホップ: イースト ケント ゴールディングス
  • 特徴: オーク樽の仮設バートン ユニオン システムで発酵・熟成
  • 購入場所: the slop shop
  • 購入日: 2022年10月20日

【初心者向け解説:ストックエールとは】
ストックエール(Stock Ale)は19世紀のイングランドで流行した醸造方法で、通常のエールよりも長期間(数ヶ月)樽で熟成させることが特徴です。この熟成期間中に乳酸菌やブレタノマイセス(野生酵母の一種)が作用し、複雑な風味と酸味を生み出します。現代のサワーエールやワイルドエールの先駆けともいえるビアスタイルです。

【初心者向け解説:バートンユニオンシステム】
バートンユニオンシステムは、19世紀のイギリス・バートン・オン・トレントで発展した醸造システムです。複数の発酵槽を樽の形で積み重ね、特殊なパイプで接続することで、酵母の循環を促進し、効率的な発酵と独特の風味の醸成を可能にしました。このシステムは伝統的なイギリスビールの特徴的な味わいに貢献しています。

どんなビール?

特徴と歴史背景

19世紀のイングランドでは、ストックエール(またの名を「キープ」エール)は何ヶ月も樽で熟成され、明確な乳酸菌とブレタノマイセスの特徴を帯びていました。このビールは、長い間忘れられていたこれらの優れた伝統的ビールからインスピレーションを得て誕生しました。

イースト ケント ゴールディングス ホップを使用して醸造されたこのストックエールは、エールを発酵および熟成させるためにオーク樽の仮設バートン ユニオン システムを使用して作られました。これは現代の一般的なストックエールとは一線を画す特別なビールです。

「古来より伝わる製法にインスパイアされ醸造されたストックエール。ホップにはEast Kent Goldingsを使用し、発酵と熟成はイギリスでかつて用いられていた木樽を用いたバートンユニオンシステムを模したもので行った。モルティ―でふくよかなキャラクターにフルーティーでハーバルな風味にファンキーさが感じられる。スムースな飲み口と共に芳醇な味わいと少々の酸味が感じられる。複雑で味わい豊かな一本に仕上がった。」

ストックエールの評価

★★★★★

ビールレビュー

見た目

ぎりぎり向かい側が見えるくらいの濁りがあります。伝統的な熟成方法による自然な濁りで、ストックエールの特徴を視覚的に表しています。

香り

【初心者向け解説:アロマとフレーバーの違い】
ビールの香りは大きく「アロマ」と「フレーバー」に分けられます。アロマは鼻から直接感じる香り(鼻腔前方受容器で感知)で、フレーバーは口に含んだ後に鼻に抜ける香り(鼻腔後方受容器で感知)を指します。同じビールでも感じ方が異なるため、プロのテイスターは両方を分けて評価します。

アロマ (鼻腔前方受動器)

モルトの甘い香りが広がり、心地よい印象を与えます。単なる甘さだけではなく、オーク樽由来の深み発酵由来の醤油のような複雑な香り(しつこくない程度)も感じられます。熟成によって生まれた複雑さは、ベルギーのランビックビールを思わせます。

酵母から来る複雑さの奥には、控えめな蜂蜜のような甘さとアルコール由来の清涼感も共存しています。口に入れる瞬間には、焦がした砂糖やキャラメル系のニュアンスもかすかに感じられますが、決して主張しすぎません。

ハーバル(草本)の香りと柑橘系の要素が組み合わさり、熟したメロンのような芳醇な香りも楽しめます。

フレーバー(鼻腔後方受容器)

口に含んだ後、非常に自然な流れで香りが広がります。その中に様々な要素がバランスよく存在しているのが特徴的です。ミントのような、ノーブルホップ系のハーバルな香りが爽やかに喉を駆け抜け、心地よさを感じさせます。

微かにお酢のような繊細な酸味も感じられ、紫蘇を思わせる風味も控えめに主張しています。

味わい

【初心者向け解説:ビールの味わい評価】
プロのビール評価では、味わいを「口当たり」「コクと質感」「飲み込む瞬間」「後味」と段階的に評価します。これは味覚が時間経過とともに変化するためで、ビールの複雑な特徴を把握するのに役立ちます。同じビールでも、飲み始めと飲み終わりでは異なる印象を持つことがよくあります。

口当たり

最初に感じるのは典型的なビールらしい自然さです。そこから徐々にモルトの豊かな香りが口腔内に広がっていきます。

コクと質感

驚くべきことに、舌の上に重たい苦味がまったく感じられません。代わりに、オーク樽に由来する深い香りが鼻腔を通じて感じられ、控えめな醤油のような風味(ただし甘みたらしのようにはならない)が喉に伝わり、心地よさを感じさせます。

長期熟成によって染み付いた複雑な味わいを感じながらも、舌触りは水のように軽やかです。決してしつこくなく、苦みの主張も最小限に抑えられています。緻密な計算の上で作られたバランスを感じます。

飲み込む瞬間

ハーバル系ホップの爽やかな刺激が優しく感じられます。その直後、レモンのような酸味と甘みが舌から喉にかけて弾けるように広がります。この瞬間の味わいは美しく、このビールの特徴を最も感じられる瞬間かもしれません。

後味

日本のノンアルコールビールに近い印象を持つ方もいるかもしれません。特徴的なのは長く残る繊細な酸味で、梅干しに付いている紫蘇のような風味や、レモンドロップキャンディを思わせる酸味が感じられます。

ドライな印象でありながらも、求めると応えてくれるような奥深い酸味と控えめな甘みが共存しています。全体を通して水を飲んでいるかのような自然さが感じられ、目立つ酸味や辛み、えぐみはまったくありません。

全体的な印象

このストックエールの最大の魅力は、水を飲んでいるかのような自然な口当たりと美しさにあります。その中に、様々な風味の要素がバランス良く存在していることで、複雑でありながらも飲みやすい特徴を持っています。

伝統的な製法を現代に蘇らせたこのビールは、クラフトビール初心者でも楽しめる飲みやすさと、愛好家が唸る複雑さを併せ持っています。19世紀の醸造文化に思いを馳せながら味わうと、より一層深みのある体験ができるでしょう。

ボトルの底まで味わって

ボトルの底に溜まった部分の味わいも試してみました。ビターチョコレートのような濃厚な香りとアルコールの存在感を感じます。しかし飲んでみると、強いホップ感や渋みは全く感じられず、むしろ蒸留酒のようなアルコール感が特徴的です。

口に含むと体が温かくなりますが、不快な辛さはありません。飲み込む瞬間に湿布を思わせるようなアルコール由来の清涼感を軽く感じる程度で、最後まで美味しく楽しめます。

ストックエールのおすすめポイント

  • 歴史愛好家に: 19世紀の伝統的な製法を現代に蘇らせた貴重なビール体験
  • モルト好きな方に: 深みのあるモルトの風味と複雑な発酵香が楽しめる
  • 初心者にも優しい: 主張しすぎない苦みと自然な口当たりで飲みやすい
  • 食事との相性: チーズや燻製料理、濃厚な肉料理と相性が良い
  • 飲むべきシーン: ゆっくりと時間をかけて味わう特別な夜に
ストックエールのボトル全体像。伝統的な製法で醸造された7.3%のエール
伝統製法で醸造されたストックエール。アルコール度数7.3%のボトル全体像
ストックエールのラベル。19世紀イングランドの伝統的な醸造法にインスパイアされたビール
19世紀イングランドの伝統的製法を再現したストックエールのラベル
グラスに注いだストックエール。ぎりぎり向こう側が見える程度の濁りがある
グラスに注いだストックエール。熟成による自然な濁りが特徴的
ストックエールのラベル裏面。製造詳細とバートンユニオンシステムについての情報
ラベル裏面に記載されたビールの製造詳細。バートンユニオンシステムを使用した製法に注目
グラスに注いだストックエールの泡と色合い。モルティな風味を想像させる琥珀色
グラスに注いだストックエールの琥珀色と泡立ち。モルティな風味を視覚的に感じさせる

↓2022年のクラフトビール関係まとめたふるさと納税記事を書いたので、よかったらみてください。↓

楽天で買えるオススメクラフトビール情報定期更新してるので、みてください!

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