はじめに|Pomona と Chinatown、二拠点で表現する「敬意」のブルワリー
2026年5月のロサンゼルス滞在で、もう一軒どうしても足を運びたかったブルワリーがあります。それが Homage Brewing(オマージュ・ブルワリー)です。LA Chinatown の 1219 N Main Street と、East LA County の Pomona 旧拠点の二拠点を構えています。創業者 Matthew Xavier Garcia(マシュー・ザビエル・ガルシア)氏が 2016年5月に Pomona で立ち上げました。ブルワリー名の Homage(オマージュ)には、音楽・映画・アートからインスピレーションを受けた人生の影響に「敬意を表する」という意味が込められています。
看板ビール「Tristeza(トリステーザ)」は North German スタイルの Pilsner(ピルスナー:チェコ・ドイツ発祥の下面発酵ラガー)です。Hallertauer ホップ(ドイツ・バイエルン州産のノーブルホップ品種)を効かせています。Untappd で 4.1 という高評価を獲得しています。本記事では創業背景、Pomona と Chinatown 二拠点の歩み、看板ビール実飲レビュー、音楽カルチャーと融合した独自の空間設計をお届けします。公式情報と一次ソースに基づいた内容です。
🏛️ ブルワリーの歩みと醸造哲学
Homage Brewing は、2016年5月に Pomona(ポモナ)で創業されました。創業者は Matthew Xavier Garcia 氏とその妻 Lauren Garcia 氏。ヘッドブルワーは Jeremiah Bignell(ジェレマイア・ビグネル)氏。3人体制でスタートしました。Garcia 氏は 2003〜2008 年にハードコア・メタルバンド「A LOVE ENDS SUICIDE」でギターを担当した経歴を持ちます。2012〜2016 年には人気バー「Congregation Ale House」のマネージャーを務めながら、2011 年から始めた自家醸造の経験を積み上げてきました。
Pomona 旧拠点は「The Glass House」と「Fox Theatre」という二つの音楽ベニューの間に位置しています。立地そのものが「音楽とビールの融合」を体現する場所です。創業時から掲げているのは「音楽・映画・アートへの敬意(オマージュ)」という哲学。創業者 Garcia 氏は BEER PAPER LA インタビューでこう語っています。「バンドで全米ツアーしてきたから、ブランディング、マーケティング、カルチャーの作り方は知っていた」と。本格的なブルワリー運営に音楽業界での経験を惜しみなく注ぎ込みました。
転機となったのは 2021年6月19日。創業5周年を記念して LA Chinatown の 1219 N Main Street に第二拠点をオープンしました。Chinatown 拠点は 5,000 平方フィートの広さに 15BBL(バレル)規模のブルーハウスを備えた本格醸造施設です。21 タップハンドルとフルキッチンを併設しています。3 年の準備期間を経て実現した二拠点体制は、Pomona の小規模生産と Chinatown の本格醸造を組み合わせた、現代的なクラフトブルワリーの理想形です。
醸造哲学では「ベルギーの伝統的ブルワリー(Cantillon、3 Fonteinen、De Struise)への深いリスペクト」を公言しています。サワー・ミックスファーメンテーション・サゾン(フランス語:Saison)を中心とした、複雑で繊細なビール造りを展開。樽熟成プログラムは 約 100 本のオーク樽規模まで拡大しています。フルーツ(特にぶどう)を皮ごと使う「スキンコンタクト発酵」など、ワイン醸造の技術を積極的に取り入れた革新的なアプローチが業界内で高く評価されています。
📍 アクセス・基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Homage Brewing。 |
| Chinatown 住所 | 1219 N Main Street, Los Angeles, CA 90012(Chinatown 地区)。 |
| Pomona 住所 | 281 S Thomas Street, Pomona, CA 91766(East LA County)。 |
| Chinatown 営業時間 | 水〜木 15:00–22:00 / 金 15:00–23:00 / 土 12:00–翌0:00 / 日 12:00–21:00(公式サイトで最新確認)。 |
| 拠点タイプ | Chinatown は 15BBL ブルーハウス併設の旗艦タップルーム(オンサイト醸造)。Pomona は元祖の小規模ブルーパブ拠点として継続中。 |
| 公式サイト | homagebrewing.com。 |
| @homagebrewing。 | |
| 創業 | 2016年5月(Chinatown 拠点は 2021年6月19日オープン)。 |
| 創業者 | Matthew Xavier Garcia(オーナー)/ Lauren Garcia / Jeremiah Bignell(ヘッドブルワー)。 |
| 交通アクセス | Metro L Line(Gold Line)Chinatown 駅から徒歩 4 分。Metro Bus 76/78 番系統 Spring & Bernard 停留所から徒歩 3 分。Union Station から徒歩 15 分。専用駐車場なし、Main Street 沿いに路上駐車スペースあり。 |
| 未成年入場 | 21+(フルバー営業のため終日成人専用)。 |
🎵 Chinatown 拠点の店内|レトロ Hi-Fi スピーカーと DJ カルチャー
Main Street を歩いていると目を引く看板があります。Chinatown の赤い装飾建築の中で、Homage Brewing のミニマルな看板が落ち着いた存在感を放っています。元工業ビルを改装した内装は、高い天井と剥き出しのコンクリート、長いウッドカウンターが特徴的なインダストリアル空間。中央のロングバーには 21 タップが並んでいます。奥には大型ステンレス醸造タンクが見え、「醸造現場が見える」ライブ感のある設計です。
最大の特徴は ヴィンテージ Klipsch(クリプシュ)スピーカーを中心としたレトロ Hi-Fi オーディオシステム。地元の DJ が選曲した キュレーション・ヴァイナル(アナログレコード)を、デザイン性の高いブックシェルフスピーカーから流す独自のサウンドプログラムを展開しています。創業者 Garcia 氏のメタルバンド出身というバックグラウンドを反映した、他のブルワリーでは味わえない音響空間です。広々としたアウトドアパティオもあり、LA の温暖な気候を活かしたオープンエア飲酒も楽しめます。



🍺 飲んだビール詳細
21 タップから、看板級の2杯をレビューします。
1. Tristeza(実飲ビール・看板 North German Pilsner)
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 苦味 | ★★★☆☆(ノーブルホップのドライな苦味)。 |
| 甘味 | ★★☆☆☆(ピルスナーモルトがクリーンに引いている)。 |
| 酸味 | ★☆☆☆☆。 |
| ボディ | ★★☆☆☆(ライトミディアム、ノーザン・ジャーマン典型のキレ)。 |
| アロマ | Hallertauer ホップのハーバル感、ドライオレンジピール、ライムゼスト、ノーブルホップ特有の草原のような爽やかさ。 |
| スタイル / ABV | North German Pilsner / 4.8% ABV(アルコール度数)。 |
Tristeza は Homage Brewing の看板ラガーとして全米で語り継がれる一本です。実際に飲んでみると、北ドイツスタイル特有のドライでキレのあるフィニッシュが印象的。Hallertauer ホップのハーバルなアロマと、ピルスナーモルトの繊細なクラッカー感が見事に調和しています。アンフィルター(無濾過)仕上げにより、ノーブルホップの繊細な香りが最大限に引き出されています。Untappd の Tristeza ページでは多数のチェックインを獲得しています。Hopped による特集動画でも詳細に紹介されている、看板中の看板です。
2. Colour Orange(限定 Saison Spritz)
ミックスファーメンテーション(混合発酵)プログラムの代表作の一本です。オーク樽で熟成させたサゾンに Sauvignon Blanc(ソーヴィニヨンブラン)のぶどう果汁を加えています。スキンコンタクト発酵(皮ごと発酵)という、ワイン醸造の技法を取り入れた革新的な一杯。「Saison Spritz(サゾン・スプリッツ)」と呼ばれるシリーズの代表作。カベルネやソーヴィニヨンブランなど様々なぶどう品種を融合させています。タップに掲げられていれば必飲の限定リリース。年間 530+ 銘柄を超えるリリースのなかでも、最も注目される銘柄の一つです。


🌐 Web 評価・口コミ(実調査データ)
主要レビューサイトでの評価を確認しました(2026年5月時点)。
- Untappd: ブルワリー総合評価 4.1/5。チェックイン総数 65,255 件、ユニークユーザー 15,036 人。
- Tristeza(看板 Pilsner): Untappd 多数チェックイン獲得、サワー・ホッピー両系統で安定した高評価。
- BeerAdvocate: 「ベルギーへの真摯なリスペクトを感じる」「LA で必飲のサワー系ブルワリー」が多数。
- Brewbound: 業界誌が Chinatown 開業時から継続取材。「LA Chinatown クラフトシーンの中核」と評価。
- Hopped: Tristeza Pilsner 専用特集動画を公開、「North German Pilsner の理想形」として紹介。
主要メディアの取り上げも目立ち、BEER PAPER LA、Hopped、Brewbound、TimeOut LA など業界誌・ローカルメディアが繰り返し特集を組んでいます。

🍻 主要ビールラインナップ
Homage Brewing の核となる5つのビアスタイルカテゴリーを公式サイトが提示しています。
- Saisons(サゾン): ミックスファーメンテーション中心の、複雑な風味を持つフランス農村スタイル。看板カテゴリー。
- Lagers(ラガー): Tristeza Pilsner を筆頭とする下面発酵ビール。看板の North German Pilsner や City Pop(Japanese Rice Lager)など。
- Hoppy Biers(ホッピービア): West Coast IPA、Hazy IPA、Pale Ale 等のホップ主体スタイル。「We’ve Been Had」「Four Corners」「Only Shallow」など。
- Natural Wine(ナチュラルワイン): 自社ワインプログラムも展開。ビールとワインの境界を曖昧にする独自路線。
- Night Moves: 限定リリースを集めた特別シリーズ。Mix Series として樽熟成・フルーテッド系を含む。
Untappd 上位のサワー系では「Wild Pink Robots」「Chat Flou」「Human Behavior」が人気。IPA 系では「We’ve Been Had」「Four Corners」「Only Shallow」「Reckoner(Brett IPA)」が銘柄として挙がっています。Belgian クラシックブルワリー(Cantillon、3 Fonteinen、De Struise)への深いリスペクトが、サワー・ミックスファーメンテーション系の品質に明確に表れています。これが他の LA ブルワリーとの大きな差別化要素です。
🎶 Garcia 氏の音楽歴と「敬意」のブランディング
創業者 Matthew Xavier Garcia 氏のバックグラウンドは、Homage Brewing を語るうえで欠かせません。Garcia 氏は高校時代を West Covina で過ごし、その後 Pasadena に移住しました。2003〜2008 年にはハードコア・メタルバンド「A LOVE ENDS SUICIDE」でギターを担当しました。バンドは全米ツアーを敢行し、音楽業界での経験を積みました。2012〜2016 年には人気バー「Congregation Ale House」のマネージャーを務めながら、2011 年から始めた自家醸造(ホームブルーイング)の腕を磨いていきました。
そんな Garcia 氏が出会ったのが、サワーホームブルーイングの伝説的存在で、同じく音楽家でもあったヘッドブルワーの Jeremiah Bignell 氏。二人は Chris Quiroga 氏が主催する「Woodshop」ボトルシェアイベントで意気投合しました。「音楽 + ビール + アート」という Homage の核となる哲学は、この二人の出会いから生まれたものです。BEER PAPER LA インタビューで Garcia 氏は「Homage に来たお客様には、ここでしか味わえない体験を感じてほしい」と語っています。バンドツアー時代に培ったブランディング感覚が、ブルワリー名「敬意」というコンセプトに見事に結実しています。
📷 SNS 投稿(Instagram)
🍻 総合評価
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| ビール品質 | ★★★★★(Belgian リスペクトのサワー・サゾン + 看板 Tristeza Pilsner)。 |
| 店内雰囲気 | ★★★★★(Chinatown インダストリアル + Klipsch ヴィンテージ Hi-Fi)。 |
| アクセス | ★★★★☆(Metro L Line Chinatown 駅から徒歩 4 分)。 |
| 銘柄数 | ★★★★★(年間 530+ リリース・常時 21 タップ+)。 |
| 総合おすすめ度 | ★★★★★。 |


🗣️ 英語での注文ガイド(海外醸造所向け)
| 日本語 | 英語フレーズ例 |
|---|---|
| テイスティングフライトをお願いします | “Can I get a flight, please?”。 |
| Tristeza はありますか? | “Do you have Tristeza on tap?”。 |
| サゾンか Mixed Fermentation のおすすめは? | “What’s a good saison or mixed-fermentation pour today?”。 |
| Saison Spritz は今ありますか? | “Do you have any Saison Spritz available?”。 |
| テイクアウト(クラウラー/グラウラー)できますか? | “Can I get this to go in a crowler / growler?”。 |

⚠️ 免責事項
本記事の営業時間・住所・ビールラインナップは 2026年5月時点の情報です。最新情報は必ず公式サイトまたは公式 Instagramでご確認ください。Tristeza ほか個別ビールはリリースサイクルにより提供有無が変動します。Colour Orange など限定リリースは入手困難な場合があります。ビアスタイルや評価コメントは筆者個人の主観を含みます。
❓ よくある質問(FAQ)

Q. Homage Brewing はいつ創業しましたか?
A. 2016年5月、Matthew Xavier Garcia 氏・妻 Lauren Garcia 氏・ヘッドブルワー Jeremiah Bignell 氏の3人で Pomona に創業しました。2021年6月19日に創業5周年を記念し、LA Chinatown に第二拠点をオープン。15BBL ブルーハウス併設、5,000 平方フィートの本格醸造施設です。
Q. ブルワリー名「Homage(敬意)」の由来は何ですか?
A. 創業者 Garcia 氏が、音楽・映画・アートからインスピレーションを受けた人生の影響に「敬意を表する」という意味を込めて命名しました。Garcia 氏自身がハードコア・メタルバンド「A LOVE ENDS SUICIDE」のギタリスト(2003〜2008 年活動)として全米ツアーを経験した音楽家でもあります。Belgian クラシックブルワリー(Cantillon、3 Fonteinen、De Struise)への深いリスペクトも、ブランディングの核となっています。
Q. Tristeza はどんなビールですか?
A. 北ドイツスタイルの Pilsner です。Hallertauer ホップを効かせた、ドライでクリーンなノーブルホップキャラクターが特徴。アンフィルター(無濾過)仕上げで、ノーブルホップの繊細な香りが最大限引き出されています。Homage Brewing の看板ラガーとして全米で評価されている一本。ABV 4.8%。
🔗 同じ旅で足を運んだ醸造所(カリフォルニア州)
同じ LA 旅では以下の店舗にも足を運びました。
- 【リホブルワリーNo.282】Highland Park Brewery(Los Angeles, CA)。
- GABF 2024 金メダル4個 + Brewer of the Year 受賞の LA Chinatown 代表ブルワリー。徒歩 5 分圏内。
- 【リホブルワリーNo.281】Arts District Brewing Company(Los Angeles, CA)。
- WBC 2025 金賞のスキーボール聖地として LA Downtown を代表する一軒。
📚 参考情報・公式リンク
- 公式サイト: homagebrewing.com。
- Chinatown メニュー: homagebrewing.com/chinatown-menu。
- Instagram: @homagebrewing。
- 業界誌取材(BEER PAPER LA): Home Sweet Homage。
- 業界誌取材(Hopped): Five Years 特集。
- Tristeza 特集動画(Hopped): UNCANNED: Tristeza Pilsner。
- Untappd: untappd.com/HomageBrewery。
- BeerAdvocate: beeradvocate.com/beer/profile/46776/。
- Brewbound: brewbound.com。
- TimeOut LA: timeout.com/los-angeles/bars/homage-brewing。

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