【#りほびーる No. 488】2nd Story Ale Works × DD4D / FARMHOUSE 2X4 レビュー
おすすめクラフトビール
ルネちゃん
DD4Dとのコラボビール!two fingersで飲んでとてもおいしかったので買いました!ブレット酵母系なので、時間経過を気にせずに買えるのもうれしいワン。
りほ
ブレット酵母は時間が経つと味わいが変化するのが特徴だよ。熟成させながら楽しめるビールだから、入手できたのはラッキーね。
おすすめのクラフトビールについて、買える場所や味わいについて紹介します!ビール選びの参考にしてください!
どんなクラフトビール ?
クラフトビールの特徴
新作ファームハウスエールです! Farmhouse 2×4は、DD4Dブルーイングとの2度目のコラボレーションです。 2月にDD4Dのクルーが私たちの醸造所を訪れ、愛媛のはだか麦を持って来てくれました。 その小麦とピルスナーモルトを使い、ローエールを造りました。 そこに乳酸菌、2種類のセゾン酵母、ブレタノマイセス酵母のブレンドで発酵させました。 最後に柑橘系のホップ、エクイノックスでドライホッピングを施しました。
ローエールは煮沸しない代わりに麦汁を低温殺菌し、不要な乳酸菌や酵母を死滅させています。 これはビールにボディと奥深いモルトの風味を引き出す技術と言われていますが、 乳酸菌、酵母、ホップの組み合わせによるしっかりとした酸味と柑橘系のアロマとフレーバーにより、ボディやモルト感は感じられずとても飲み易く感じます。 このビールは、レモン、柚子、柚香(ゆこう)の香りが特徴的です。 酸味に加えて、飲み終わりにほんのりとした甘みがあるので、まるでサワーグミのよう。 ビールが温まるにつれて、小麦がより分かりやすく感じられ、熟成発酵により始まりつつある酵母のファンキーな味わいもほんのりと楽しめます。
塩味のあるこってりとした料理に合わせると、ビールの酸味により重たさを感じさせず相性よく楽しめます。 今回はバッチの半分のみで、残りは熟成させ、ブレット酵母をより引き出すために保管し、 2024年にリリースする予定です。
We have a new farmhouse ale ready! Farmhouse 2×4 is our second collaboration with DD4D Brewing. The DD4D crew visited us in February and brought Hadaka wheat from Ehime. We used that along with pilsner malt to make a raw ale. We then fermented the beer with lactic bacteria, 2 types of saison yeast and a blend of brettanomyces yeast. Finally we dry hopped this with the citrusy hop Equinox.
A raw ale isn’t boiled. Instead the wort is held at pasteurization temperatures to kill any unwanted bacteria or yeast. It is a technique that many say brings more body and a deeper malt flavor to the beer. It is difficult to judge with this beer because the bacteria, yeast and hops have combined to give this a strong tart, citrusy aroma and flavor. Notes of lemon, yuzu and yuko jump out. With the tartness and a little sweetness at the end of the drink you can get the impression of sour gummies. As the beer warms up the wheat becomes more noticeable along with a funkiness that is starting to develop.
Right now this is a fun beer that pairs well with savory foods because its tartness can cut through heavier flavors. We will be holding back half of the batch to age it and let the brett come through more. We plan on releasing that in 2024.
ABV: 7.0% 苦味:超低程度 炭酸ガス含有量:2.6
麦芽:ピルスナー、小麦、サワーモルト
ホップ:エクイノックス
副原材料:オレンジピール
出典: 公式サイト https://2ndstoryale.jp/
【初心者向け解説:ローエール】
ローエールとは、煮沸工程を省略し、代わりに低温殺菌によって不要な微生物を取り除く醸造方法です。北欧の伝統的な製法で、通常のビールより深いモルト風味とふくよかなボディが特徴です。家庭での薪を節約するために発展した製法とも言われています。




2nd Story Ale WorksのInstagramから投稿を見る:
ルネちゃん
常温熟成させてみたものも飲んでみたいワン!どう変化するんだろう?
りほ
ブレット酵母による熟成では、時間とともにフルーティさからファンキーさへと変化していくんだ。同じビールでも数ヶ月後には全く違う表情を見せてくれるよ。熟成版も発売されたら飲み比べるといいね。
いつ買った?
2023年12月
どこで買った?
酒ハウスモリモト(徳島)
ブルワリーについて
ブルワリー この建物、一見、車庫のように見えますが、実は本当に車庫だったんです! ブルワリーを始めるに当たって、早く場所を見つけないということで、ここに決まりました。当時、車庫の2階は使われておらず、実家の敷地内なので、もちろん家賃無料です。ブルワリー向きの建物ではなかったので、使えるようになるにはかなり手間暇かかりました。
出典: 公式サイト https://2ndstoryale.jp/pages/about
ルネちゃん
ブルワリーの始まりが車庫だったなんておもしろいワン!タップルームはあるの?
りほ
2024年2月の段階ではタップルームはなかったみたいだけど、近々オープンする予定と公式サイトに書かれていたよ。車庫から始まった小さなブルワリーが着実に成長している好例ね。
【初心者向け解説:ブレット酵母】
ブレット酵母(ブレタノマイセス酵母)は、野生酵母の一種で、通常の酵母では分解できない糖も発酵させる能力を持ちます。熟成によって味が変化する特徴があり、フルーティーな香りから、時間とともに革やファンキー(マスキー)な香りに変化します。ベルギーのランビックビールなどに使われる伝統的な酵母でありながら、現代のクラフトビールでも個性的な味わいを生み出すために使用されています。
ビアスタイルガイドライン
29.ブレットビール
ブレットビールの色合いについて規定はないが、使用したフルーツやほかの原料由来の色を反映している場合が多い。冷温白濁または酵母による濁りは、ローからミディアム・レベルであれば許される。フルーティーなエステルはミディアムからハイ・レベル。ホップのアロマとフレーバーおよび苦味は、ローからハイ・レベルまでと範囲が広い。淡色なバージョンはモルトのアロマとフレーバーがロー・レベル。濃色なバージョンの場合、ローストモルト香、カラメル香、チョコレート香などのアロマとフレーバーがロー・レベルで感じられる。フルーツ入りのバージョンは、使用したフルーツ香とほかのキャラクターとのバランスがとれていること。ブレタノマイセス酵母によって発酵中に生成されたローからミディアム・ロー・レベルの酸味が、フレーバー全体に深みをつけている。また、ブレタノマイセス酵母由来のアロマとフレーバーは、ホースィー(馬臭)、ゴーティー(山羊臭)、レザリー(革臭)、フェノーリック、フルーティー、酸味などで、ローからハイ・レベルまでと範囲が広い。なかにはビール全体を支配するほどレベルの高いものがあるが、必ずしも支配的でなくてよい。ブレタノマイセス酵母は培養したものを使用してもよい。ブレタノマイセス酵母で発酵させたビールであっても、上記のブタノマイセス・キャラクターを伴っていないビールは、このビアスタイルには含まれない。このビアスタイルのビールにバクテリア由来のキャラクターがあってはならない。木樽で発酵やエイジングを行った場合は、ヴァニラ香のような木香が感じられてはならない。バーボンやシェリーの古樽でエイジングした場合は、それらの容器の残り香があってはならない。容器の残り香やヴァニラ香が感じられる場合は、木片および木樽熟成ビールに該当する。ブレタノマイセス以外の微生物から生成されたキャラクターを持つビールは、ミックスドカルチャー・ブレットビールに該当する。ダイアセチルとDMSがあってはならない。ボディはライトからフルの範囲。このビアスタイルに出品するビールは、ベースにしたビアスタイル名、ブレタノマイセス酵母の種類(野生菌または培養菌)、フルーツやそのほか特別な原料を使用していればその名前と使用法を明示することが求められる。ベースにしたビールが、このガイドラインに収録されている既存のビアスタイルのどれにも合致しない場合は「既存のスタイル外」と書いてもよい。これらについての情報が添付されていないビールは、審査の際に不利となる場合がある。
- 初期比重 (プラート度):ベースにしたビアスタイルに基づく
- 最終比重 (プラート度):ベースにしたビアスタイルに基づく
- アルコール度数 :ベースにしたビアスタイルに基づく
- ビタネス・ユニット:ベースにしたビアスタイルに基づく
- 色度数:ベースにしたビアスタイルに基づく
30.ミックスドカルチャー・ブレットビール
ミックスドカルチャー・ブレットビールの色合いについて規定はないが、使用したフルーツやほかの原料由来の色を反映している場合が多い。冷温白濁、バクテリアまたは酵母による濁りは、ローからミディアム・レベルであれば許される。フルーティーなエステルはミディアムからハイ・レベル。ホップのアロマとフレーバーおよび苦味は、ローからハイ・レベルまでと範囲が広い。淡色なバージョンはモルトのアロマとフレーバーがロー・レベル。濃色なバージョンの場合、ローストモルト香、カラメル香、チョコレート香などのアロマとフレーバーがロー・レベルで感じられる。フルーツ入りのバージョンは、使用したフルーツ香とほかのキャラクターとのバランスがとれていること。ブレタノマイセス酵母によって発酵中に生成されたローからミディアム・ロー・レベルの酸味が、フレーバー全体に深みをつけている。また、ブレタノマイセス酵母由来のアロマとフレーバーは、ホースィー(馬臭)、ゴーティー(山羊臭)、レザリー(革臭)、フェノーリック、フルーティー、酸味などで、ローからハイ・レベルまでと範囲が広い。なかにはビール全体を支配するほどレベルの高いものがあるが、必ずしも支配的でなくてよい。ブレタノマイセス酵母は培養したものを使用してもよい。また、ブレタノマイセス酵母に加えて乳酸菌や酢酸菌などのバクテリアを併用していることが、ミックスドカルチャー・ブレットビールの特徴である。バクテリアによって酸味が生成されるが、そのレベルについては強弱を問わない。木樽で発酵やエイジングを行った場合は、ヴァニラ香のような木香が感じられてはならない。バーボンやシェリーの古樽でエイジングした場合は、それらの容器の残り香があってはならない。容器の残り香やヴァニラ香が感じられる場合は、木片および木樽熟成ビールに該当する。ダイアセチルとDMSがあってはならない。ボディはライトからフルの範囲。このビアスタイルに出品するビールは、ベースにしたビアスタイル名、ブレタノマイセス酵母の形状(野生菌または培養菌)、バクテリアの種類、フルーツやそのほかの原料を使用していればその名前と使用法を明示することが求められる。ベースにしたビールが、このガイドラインに収録されている既存のビアスタイルのどれにも合致しない場合は「既存のスタイル外」と書いてもよい。これらについての情報が添付されていないビールは、審査の際に不利となる場合がある。
- 初期比重 (プラート度):ベースにしたビアスタイルに基づく
- 最終比重 (プラート度):ベースにしたビアスタイルに基づく
- アルコール度数 :ベースにしたビアスタイルに基づく
- ビタネス・ユニット:ベースにしたビアスタイルに基づく
- 色度数:ベースにしたビアスタイルに基づく
66.クラシック・セゾン
クラシック・セゾンの色合いは、ストロー(麦わら色)からライト・アンバーの範囲。冷温白濁または酵母によるほのかな濁りは許される。フルーティーなエステルはミディアムからハイ・レベル。ホップのアロマとフレーバーはローからミディアム・レベルで、ヨーロッパ品種のホップがもたらすフローラル、ハーバル、ウッディなどのキャラクターを伴う。ホップの苦味はミディアム・ローからミディアム・レベルで、けっして強すぎないこと。モルトのアロマとフレーバーはロー・レベルであるが、全体のバランスの土台となっていること。フェノーリックなキャラクターは不快な刺激を伴うことなく、エステルやホップと調和していること。フルーティーなエステル香とともに、ベルジャン・イースト由来のブラックペッパーのようなスパイス香を伴う。ほのかな酸味とともにフルーティー、ホースィー(馬臭)、ゴーティー(山羊臭)、レザリー(革臭)など、ブレタノマイセス酵母由来のフレーバーが非常にロー・レベルで感じられるものもあるが、必ずしも必須ではない。アテニュエイション(発酵度)が高く、ボトル内二次発酵を行って特定の酵母由来のキャラクターを付与したり、カーボネーションを高める場合も多い。ダイアセチルが感じられても、非常にロー・レベルであれば許される。ボディは非常にライトからライトの範囲。
- 初期比重 (プラート度):1.040-1.060 (10.0-14.7)
- 最終比重 (プラート度):1.004-1.008 (1.0-2.1)
- アルコール度数 :5.0-6.8% ABV
- ビタネス・ユニット:20-38 IBU
- 色度数:3-7 SRM (6-14 EBC)
出典: https://beertaster.org/beerstyle/beerstyle2204_j.html
【初心者向け解説:セゾンとファームハウスエール】
セゾン(Saison)は「季節」を意味するフランス語で、本来はベルギーの農家が夏の季節労働者のために醸造していたビールです。爽やかで軽快な飲み口が特徴で、フルーティな香りとスパイシーなキャラクターが共存しています。ファームハウスエールはセゾンと同義で使われることが多く、現代のクラフトビールでは農場の伝統に敬意を表しつつ、より多様な解釈で醸造されています。
クラフトビールレビュー
見た目 SRM
5-7 明るみのある黄金
香り
アロマ (鼻腔前方受動器)
シトラス 芳香剤 ホップのパイン 小麦由来の少しのスパイシーさ。複雑なエステル。
フレーバー(鼻腔後方受容器)
パイン、レモングラス 少しの馬小屋 ほんの少しだけ砂糖漬けにしたマンゴー。ナッツ系のたんぱくな香り。胡椒や山椒のようなスパイシーさ。
味わい
味わい要素 | 強度(1-5) | 特徴 |
---|---|---|
苦味 | 1/5 | 超低程度、ほとんど感じない |
甘味 | 2/5 | 飲み終わりにほんのりとした甘み |
酸味 | 4/5 | 乳酸由来のさわやかな酸味 |
ボディ | 2/5 | 軽めだが水よりは重み感がある |
アロマ強度 | 4/5 | 柑橘系の強い香り |
口当たり
違和感のないやさしさ。水よりもボディがあるものの、限りなく水に近い。
コクと質感
たんぱくで重みがあるものの、ローエールにしては軽い。ローエールによくある白濁感は控えめで透明。美しさがある。舌の上で転がすと、サワービールのような酸味が強くなってくる。これとオレンジピール由来の酸味がマッチしてとても気持ちいい。
ルネちゃん
酸味って苦手なんだけど、これは大丈夫かワン?
りほ
記事の説明によると「サワーグミのよう」と表現されているから、このビールの酸味はレモンやグレープフルーツのような爽やかさがあるみたいね。刺激的な酢のような酸味とは違う可能性があるから、好みによるところもあるけど試してみる価値はあるかも。
飲み込む瞬間
水のようにひっかかりなく落ちていったのちに、オレンジピール由来の心地いい酸味が鼻を通る。さわやか。
後味
レモングラス系の酸味が長く口の中にのこる。
底
ブレット酵母とオレンジピール、マーマレード感と酵母の生臭さがまじりあっている。
テイスティングノート
ビアスタイルガイドラインに該当するスタイルがないため採点なし
全体的な印象
ごくごく飲める爽快セゾンのようで、乳酸菌由来の酸味も強い。複雑な味わいとごくごく系を両立していてすごいと思った。めちゃくちゃおいしい。
ルネちゃん
さわやかごくごく系でとてもおいしそうワン!どんな料理と合わせるのがいいの?
りほ
記事によると、「塩味のあるこってりとした料理に合わせると、ビールの酸味により重たさを感じさせず相性よく楽しめます」とあるわ。唐揚げやフライドチキン、カルパッチョなどの魚料理、チーズプレートなどと合わせると、ビールの酸味が油や塩味をさっぱりさせてくれそうね。
よくある質問
Q: このビールは長期保存できますか? |
A: ブレット酵母が使用されているため、時間をかけて熟成させることで味わいが変化するとされています。公式説明によると「バッチの半分は熟成させ、ブレット酵母をより引き出すために保管し、2024年にリリースする予定」とのことなので、適切な環境で保存すれば熟成による風味変化を楽しめる可能性があります。 |
Q: 一般的なセゾンとの違いは何ですか? |
A: 公式説明によると、このFARMHOUSE 2X4は乳酸菌、2種類のセゾン酵母、ブレタノマイセス酵母のブレンドで発酵させており、愛媛県産のはだか麦とピルスナーモルトを使用し、ローエール製法で造られています。これらの特徴が一般的なセゾンとの違いと考えられます。 |
Q: 初心者でも楽しめますか? |
A: 公式説明によると「乳酸菌、酵母、ホップの組み合わせによるしっかりとした酸味と柑橘系のアロマとフレーバー」が特徴とのことで、一般的なビールとは異なる味わいです。好みによりますが、酸味に抵抗がなく、新しい味わいに挑戦したい方は試してみる価値があるでしょう。少量から試すのがおすすめです。 |
日本のクラフトビールレポート
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