【リホブルワリーNo.279 / アメリカNo.171】Rosenstadt Brewery(Portland, OR)|Culmination 跡地に開いた、ドイツ伝統ラガーの新拠点

Rosenstadt Brewery, Portland OR - rihobeer brewery No.279 beer
この記事は約13分で読めます。

はじめに|Culmination 跡地で再始動した、ポートランドの「ドイツ伝統派」

2026年5月、ポートランドの北東部 Kerns 地区まで足を運びました。NE Oregon Street 沿いのこの場所は、かつて多くのビアギークが通った Culmination Brewing の跡地です。今は、ジャーマンスタイル専門の Rosenstadt Brewery(ローゼンシュタット・ブルワリー) が新たに居を構えました。2025年8月29日に念願の初タップルームをオープンしました。創業からおよそ10年、契約醸造(ジプシーブルワー)として実力を磨いてきた彼らが、ついに「自分たちの店」を構えました。歴史的なタイミングでの訪問でした。

ヘイジー IPA とフルーツサワーが PDX シーンを席巻する2020年代後半、あえてドゥンケル・ヘレス・ピルスナーといった伝統的ドイツラガーで勝負する硬派なブルワリーは貴重な存在です。実際に飲んでみると、モルティなボディに柑橘ホップの爽快感が乗った、ごまかしの効かない誠実な一杯。本記事では、Rosenstadt の歩みとビールの実飲レビューを、公式情報と一次ソースをもとにお届けします。Culmination 跡地ならではの店内の雰囲気や、ポートランドビアシーンにおける位置づけにも触れていきます。

🏛️ ブルワリーの歩みと醸造哲学

Rosenstadt Brewery は、Tobias Hahn 氏Nick Greiner 氏 の2人によって、2015年に創業されました。Hahn 氏はドイツ・フライブルク(Wiehre 地区)出身で、微生物学博士号を持つ醸造責任者。Greiner 氏はホスピタリティ・リテールマーケティング業界のキャリアを持ち、ドイツ人女性をパートナーとするオペレーション担当です。2人が出会ったのは2013年、ポートランドの German American Society。互いの子どもがドイツ語クラスに通っていた縁で知り合い、その日のうちに「ドイツビールを作りたい」という共通の想いで意気投合したという、ビアギークなら胸が熱くなるエピソードを持っています。

創業当初から一貫して掲げているのは 「ドイツビール純粋令(Reinheitsgebot)」 に則った伝統スタイルの醸造哲学です。主力スタイルは、ケルシュ、ヘレス、ピルスナー、ドゥンケル、アルトビアといったジャーマンクラシック。ケルシュはケルン発祥の上面発酵金色エール、ヘレスはミュンヘン淡色ラガー、アルトビアはデュッセルドルフ発祥の上面発酵銅色エールが代表格です。これらを麦芽の旨味とノーブルホップ(ザーツ、ハラタウ、テットナンガーなどドイツ伝統品種)の繊細なアロマで丁寧に組み立て、苦味と香りの双方を整えます。創業から10年間は自社醸造所を持たず、他ブルワリーの設備の空き時間を借りる「ジプシーブルワー」として活動。それでも主要コンペで複数メダルを獲得し、確かな技術力を業界内で証明してきました。US Open Beer Championship、World Beer Cup、New York International Beer Competition がその代表例です。

転機は 2025年8月29日。長年愛された Culmination Brewing が閉店した跡地(2117 NE Oregon Street)を引き継ぐ形で、念願の 直営タップルーム がオープン。Hahn 氏のキャッチフレーズが、ようやく一つの実体ある拠点に結実したのです。それは「Black Forest(黒い森)に片足を、Cascade(カスケード山脈)にもう片足を置いて、伝統的ドイツビールにモダンな解釈を加える」というもの。ヘイジーやフルーツサワーが PDX シーンの主流となるなか、伝統スタイル一本で勝負する姿勢は、ポートランドのジャーマンビール文化を守る稀有な存在として、地元ビアコミュニティから高く評価されています。

📍 アクセス・基本情報

項目内容
正式名称Rosenstadt Brewery。
住所2117 NE Oregon Street, Suite 703, Portland, OR 97232(Kerns 地区/旧 Culmination Brewing 跡地)。
営業時間木・金 16:00–21:00 / 土・日 13:00–21:00(月〜水 休業)。
交通アクセスTriMet バス 12 番(Sandy Blvd 経由)NE 21st & Oregon 停留所から徒歩1分。MAX Red Line ご利用時は NE 7th Ave 駅から徒歩 15 分。Sandy Blvd 沿いに有料パーキング数台、近隣に路上駐車スペース複数あり。
拠点タイプタップルーム専用(醸造施設は別契約・契約醸造ベース)。
公式サイトrosenstadtbrewery.com
Instagram@rosenstadt_brewery
創業2015年(タップルームは2025年8月29日オープン)。
創業者Tobias Hahn(醸造責任者・微生物学博士)/ Nick Greiner(オペレーション)。

🏆 Rosenstadt の受賞歴 (16件)

データソース: 受賞歴データベース(2024年まで収録)

  • 🥇 NYIBC 2024 Gold — Märzen (German-Style Märzen)
  • 🥇 NYIBC 2024 Gold — Pilsner (German-Style Pilsener)
  • 🥇 NYIBC 2024 Gold — Schwarzbier (German-Style Schwarzbier)
  • 🥇 NYIBC 2023 Gold — Dunkel (European-Style Dark/Münchner Dunkel)
  • 🥇 NYIBC 2023 Gold — Houblon-PIls (German-Style Pilsener)

残り 11 件を受賞歴データベースで見る →

🏠 店内の雰囲気|Culmination の記憶と、ドイツ伝統の新章

建物に入ってまず感じるのは、「あれ、ここ来たことがあるかも?」という既視感。長年 Culmination Brewing として営業されていた空間がベースになっているので、PDX のビアギークなら必ず一瞬戸惑うはずです。リノベーションは控えめで、Culmination 時代の骨格を残しつつ、ドイツらしい木目調のカウンターやノーブルなフォントの看板に置き換えられた、温かみのある内装に仕上がっています。

さらに嬉しいのは、提携店として Fressen Artisan Bakery(ポートランドの代表的なジャーマンベーカリー)が本場のドイツ風プレッツェルやペストリーを提供していること。伝統重視の Rosenstadt らしい配慮で、ビールとのペアリングが楽しめます。

りほくん
りほくん
友人から「ジャーマンスタイルの新しいブルワリーができたらしい」って聞いて行ったら、店内の雰囲気にどこか覚えがあって。調べたら Culmination の跡地だった、っていうリアル「あれ、ここ知ってるぞ?」展開!
ホプくん
ホプくん
かつて IPA やサワーが注がれていたカウンターで、今は透き通ったヘレスやドゥンケルが注がれているのは、PDX クラフトシーンの変遷を象徴しているねぇ。エモい!
ルネちゃん
ルネちゃん
店内は落ち着いた木の温もりで、ガヤガヤしすぎないのが嬉しいわん。ドイツビールを「じっくり味わう」のにぴったりの空間でした。

🍺 飲んだビール詳細

訪問時には、看板スタイルのジャーマンラガーをフライト形式で楽しみました。特に印象に残った2杯を中心にレビューします。

1. ヘレス(Helles Lager)

項目評価
苦味★★☆☆☆(控えめでクリーン)。
甘味★★★☆☆(モルトの優しい甘み)。
酸味★☆☆☆☆(ほぼ感じない)。
ボディ★★★☆☆(ミディアム、しっかりしたモルティさ)。
アロマパン生地、ハーセン(ピルスナーモルト)、ノーブルホップの繊細な草の香り。
スタイル / ABVMunich Helles Lager / 約4.8% ABV。

モルティなボディに、爽快な柑橘ニュアンスのあるノーブルホップが心地よく乗っています。ピルスナーよりも丸みのある飲み口で、長時間ゆっくり楽しめるタイプ。「のんびり飲めるビールがおいしいのは、本当にありがたい」と感じる一杯でした。

2. ドゥンケル(Dunkel Lager)

項目評価
苦味★★☆☆☆(穏やか)。
甘味★★★★☆(ローストモルトのリッチな甘み)。
酸味★☆☆☆☆。
ボディ★★★★☆(フルボディ、しかし飲み疲れない)。
アロマキャラメル、トースト、ダークチョコレート、ノーブルホップの土のニュアンス。
スタイル / ABVMunich Dunkel Lager / 約5.2% ABV。

ローストモルトのカラメル感とトーストされた香りが豊か。ABV(アルコール度数)はそれほど高くないのに、しっかりした飲み応えがあります。ジャーマンビールの「重さと飲みやすさの両立」という哲学が体現された一杯です。

ホプくん
ホプくん
ジャーマンビールって「ホップで攻める」というより、「モルトと水で勝負する」スタイルだから、ごまかしが効かないんだよねぇ。Rosenstadt の高品質は、ごまかしの効かない職人技だよねぇ。
りほくん
りほくん
ヘレスのモルティさに、柑橘の爽やかさが効いているの、めちゃくちゃよかった!ドゥンケルもキャラメル感がしっかりあるのに重すぎない、職人技だなぁ。
ホプくん
ホプくん
ヘイジーやサワーが流行る時代に、伝統スタイルでこれだけ高品質を出せるのは、Hahn 博士の微生物学的バックグラウンドがあってこそ、って気がするねぇ。

🌐 Web 評価・口コミ(実調査データ)

主要レビューサイトでの評価を実際に確認しました(2026年5月時点)。

  • Untappd:Rosenstadt のフラッグシップ「Kölsch」「Helles」共に 3.7〜3.8/5 と、ジャーマンスタイル系で安定した高評価。
  • Google マップ:タップルームオープン後の新規レビュー多数。「PDX で本格的なドイツビールが飲める貴重な場所」「店主と話せて温かい」といったコメントが目立つ。
  • BeerAdvocate:ジプシー時代から「Reinheitsgebot を守る職人気質」として業界誌・愛好家から評価。

主要メディアでの取り上げも目立ちます。New School Beer + CiderBridgetown BitesWillamette WeekSip Magazine など、地域メディアが繰り返し特集を組んでいます。

ルネちゃん
ルネちゃん
地元のビア専門メディアが繰り返し特集してるってことは、PDX のシーンで本当に存在感のある一軒なのね!

🏆 受賞歴ハイライト

Rosenstadt は契約醸造時代から主要コンペで実力を示してきました。主な受賞は以下のとおりです(公式記録で確認)。

  • World Beer Cup 2022:ブロンズメダル(German-Style Altbier)。
  • New York International Beer Competition 2021:ゴールドメダル(German-Style Brown Ale)。さらに Düsseldorf-Style Altbier 部門でも受賞。
  • US Open Beer Championship 2020:ブロンズメダル(German Kölsch)。

このほか、複数年にわたって主要コンペでメダルを獲得しています。本記事末尾に主要コンペでの受賞一覧をまとめています。

📷 SNS 投稿(Instagram)

🍻 総合評価

項目評価
ビール品質★★★★☆(伝統スタイルで安定した高品質)。
店内雰囲気★★★★☆(Culmination 跡地の歴史を活かした温かみ)。
アクセス★★★☆☆(NE Portland、車かバスが便利)。
スタッフ対応★★★★★(醸造への情熱が伝わる)。
総合おすすめ度★★★★☆
りほくん
りほくん
「ヘイジーじゃないビールを真剣に飲みたい日」に、ぜひ立ち寄ってほしい一軒!ジャーマンビール好きには本当にありがたい存在です。
ルネちゃん
ルネちゃん
PDX で「The Redd」エリアや Kerns 地区を回るなら、必ずルートに入れて欲しい一軒だわん。
ホプくん
ホプくん
「Black Forest にも Cascade にも片足を」っていう創業者の言葉、PDX の現代的なクラフトカルチャーとドイツの伝統が共存してて素敵だねぇ。

🗣️ 英語での注文ガイド(海外醸造所向け)

日本語英語フレーズ例
テイスティングフライトをお願いします“Can I get a flight, please?”。
ヘレスをパイントで“I’ll have a pint of the Helles.”。
ドゥンケルもありますか?“Do you have the Dunkel on tap?”。
このビールはどんな味ですか?“Can you describe this beer?”。
テイクアウト(クラウラー/グラウラー)できますか?“Can I get this to go in a crowler / growler?”。

⚠️ 免責事項

本記事の営業時間・住所・ビールラインナップは2026年5月時点の情報です。最新情報は必ず公式サイトまたは公式 Instagramでご確認ください。受賞歴情報は公開された大会公式記録に基づきますが、ビアスタイルや評価コメントは筆者個人の主観を含みます。

❓ よくある質問(FAQ)

ホプくん
ホプくん
PDX で「ドイツ伝統スタイルだけを真剣に飲みたい」って思ったら、ここを真っ先に思い浮かべるのが正解だねぇ。

Q. Rosenstadt のタップルームはいつオープンしましたか?

A. 2025年8月29日にオープンしました。場所は元 Culmination Brewing の跡地(2117 NE Oregon Street, Portland)です。創業自体は2015年で、それまでは契約醸造(ジプシーブルワー)として活動していました。

Q. どんなスタイルのビールが看板ですか?

A. ドイツ伝統スタイル全般(ヘレス、ドゥンケル、ピルスナー、ケルシュ、アルトビア)。Reinheitsgebot(ドイツビール純粋令)に沿った醸造哲学が特徴です。ヘイジー IPA やフルーツサワーが主流の PDX シーンでは異色の存在です。

Q. 主な受賞歴は?

A. 代表的な受賞は World Beer Cup 2022 ブロンズ(German-Style Altbier)です。NY International Beer Competition 2021 ではゴールド(German-Style Brown Ale)を獲得。US Open Beer Championship 2020 でもブロンズ(German Kölsch)を受賞しています。

🔗 同じ旅で足を運んだ醸造所(オレゴン州)

📚 参考情報・公式リンク

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