【毎週更新】2025年6月2日 日本クラフトビール最新レポート公開!

この記事をシェアする

この記事は約11分で読めます。
About me

About Me

りほのプロフィール画像

りほ

ITエンジニア兼ビアジャッジ

IT技術とビール愛を融合させた活動を展開中。日本のビアジャッジ資格保持者として2024年JGBAでの審査経験あり。現在はシアトル拠点で、日米のクラフトビール文化を比較しながら、情熱を注いでいます。趣味でビール関連アプリの開発も行っています(詳細はGitHubにて)。

ブルワリー向けにWebサイト刷新、SEO対策、AIを活用したペルソナ分析、プロンプトエンジニアリングなど、IT知識を活かしたサポートが可能です。「ブルワリーの魅力が正しく伝わる世界」を目指して、純粋な情熱でクラフトビールを応援しています。ビールとテクノロジーの融合についてご興味があれば、お気軽にご連絡ください🍻


最終更新日: 2025年6月2日

日本のクラフトビール業界の最新動向、市場分析、イベント情報、注目の新商品などを包括的にまとめたレポートです。ビール愛好家、業界関係者、投資家の方々に有益な情報を提供します。

市場概況

市場規模拡大中

2022年度の国内出荷数量は4万3,745キロリットルに達し、2019年度比24%増。市場規模は1000億円弱で、2026年の酒税法改正を機に1000億円超えの見通し。

醸造所数の急増

2024年時点で全国の醸造所は800カ所以上。これは10年前の約3倍に相当し、地域活性化の核として注目されています。

成長余地大きい日本市場

日本のクラフトビール市場シェアは約1%。米国の27%と比較すると、まだ成長の余地が大きく、IMARC予測では2033年まで年率12.61%成長。

最新ニュース(2025年5月)

けやきひろば春のビール祭り開催

埼玉県さいたま市
2025年5月28日

さいたま新都心で日本最大級のクラフトビール祭典が開催。新規出店3社を含む48社が参加し、300種類以上のビールを提供。限定醸造や先行販売も多数。

出典: ビール女子

セブンイレブンがヘイジーIPA発売

全国展開
2025年5月21日

ヤッホーブルーイングと共同開発した「有頂天エイリアンズ」を首都圏で先行発売。6月11日より全国展開予定。ビール初心者にも飲みやすいヘイジーIPAスタイル。

出典: ビール女子

VERTEREがサステナブルホップビール開発

東京都奥多摩町
2025年5月1日

使用済みホップをアップサイクルしたビールを開発。ASTRA FOOD PLAN、ユーグレナと共同で環境配慮型の新たな取り組みとして注目。SDGs対応ビール製造のモデルケースに。

出典: My CRAFT BEER

今後3ヶ月のビアフェス・イベント

開催日 イベント名 開催地 特徴
6月7日-8日 ビアフェス東京2025 恵比寿ガーデンプレイス インターナショナル・ビアカップ2024、ジャパン・グレートビア・アワーズ2025入賞ビール多数
6月7日-8日 ニッポンクラフトビアフェスティバル in すみだ すみだ産業会館 全国40銘柄以上が集結。特典グラス付きチケットや入門セミナーも開催
6月21日-22日 寿司×クラフトビール フェス スプリングバレーブルワリー東京 複数のブルワリーと寿司店がコラボ。ペアリングを楽しむ新感覚イベント
7月10日-13日 INSPIRE TOKYO CRAFT BEER PARK 代々木公園 J-WAVE主催。けやきひろばビール祭りとコラボし、国内30社が参加
8月1日-3日 つくばクラフトビアフェスト2025 つくばセンター広場 全国約40社が参加。200種類超のビールとビールコンシェルジュによる提案
データソース: 各イベント公式サイト、2025年6月2日現在

新規オープン予定の醸造所

醸造所名 所在地 開業予定日 特記事項
みんなでブルワリー 香川県三豊市 2025年6月9日 クラフトビール専門店として開業。全国の厳選ビールも提供
Habuminato Brewery 東京都大島町 2025年7月14日 伊豆大島初のクラフトビール醸造所。離島での新たな取り組み
Meinohama Brewery 福岡県福岡市西区 2025年8月19日 姪浜駅南のMEINOHAMA STEPS内に開業。地域活性化の核となる施設
データソース: My CRAFT BEER

新発売・限定醸造ビール

  • ヤッホーブルーイング
    眠れるししし2025:10倍以上の時間をかけて長期熟成させたバーレイワイン。ワインのように寝かせて味わいの変化を楽しめる限定品。公式通販サイト中心に数量限定発売中。
  • セブン‐イレブン/ヤッホーブルーイング
    有頂天エイリアンズ:濁った液色と控えめな苦み、トロピカルフルーツの香りが特徴のヘイジーIPA。ビール初心者にも飲みやすい設計。6月11日より全国セブンイレブンで順次発売。
  • VERTERE
    サステナブルホップビール:使用済みホップをアップサイクルした環境配慮型ビール。ASTRA FOOD PLAN、ユーグレナと共同開発。限定発売予定。
  • ベアレン醸造所
    盛岡×ビクトリア姉妹都市提携40周年記念ビール:盛岡市とカナダ・ビクトリア市の交流を記念した限定醸造。地域交流の象徴的な取り組み。数量限定発売中。

ノンアル・低アルの台頭

健康志向の高まりから、アルコール度数0.5%以下のビールテイスト飲料が急成長。米国Athletic Brewing社の成功に続き、日本でも市場拡大中。

ギフト需要の拡大

化粧箱入りやデザイン性の高い缶・ボトルで「おしゃれな贈り物」として評価。飲み比べセットなど、話題性のあるギフト商品が人気。

サステナビリティへの取り組み

廃棄食材の活用、再生エネルギー使用、CO2削減など環境配慮型の醸造が拡大。SDGs対応が企業価値向上に直結する時代に。

飲み方スタイルの変化

20-30代は少量をゆっくり楽しむスタイルが主流に。温度変化による味わいの変化を楽しめるクラフトビールが支持される理由の一つ。

経済発展・投資情報

Best Beer Japanが累計2.8億円調達

業界DX推進
2022-2024年

2022年2月にシードラウンドで7,000万円、2024年12月に2.1億円の追加調達を実施。醸造所向けERPソフトと物流サービス「レン樽」を展開し、業界のデジタル化を推進。

出典: 公開情報より

初期投資額の大幅低下

参入障壁緩和
2025年現在

醸造設備の小型化・効率化により、初期投資額が5,000万~8,000万円程度に低下。1990年代の億単位の投資から大幅に参入しやすくなり、新規参入が活発化。

出典: 業界調査レポート

ビールコンペティション情報

コンペティション名 開催時期 特徴・最新情報 公式サイト
ジャパン・グレートビア・アワーズ 2025年2月(審査実施済み) 国内醸造ビール特化。2025年2月26日に結果発表済み 公式サイト
インターナショナル・ビアカップ 2025年8月~9月(予定) 1996年から開催。100種類のスタイルごとに審査 公式サイト
ジャパン・ブルワーズ・カップ 2025年2月7日-9日(開催済み) 横浜で開催。審査結果を当日発表する世界でも珍しい大会 公式サイト
ワールド・ビア・カップ 2026年(偶数年開催) 米国ブルワーズ協会主催。日本からの参加も年々増加 公式サイト
データソース: 各コンペティション公式サイト

Untappdの日本人気ブルワリーTop10

順位 ブルワリー名 所在地 平均評価 レーティング数
1 UCHU BREWING 山梨県北杜市 4.02/5.0 67,523
1 Inkhorn Brewing 東京都豊島区 4.02/5.0 15,839
3 Totopia Brewery 愛知県長久手市 3.98/5.0 12,974
4 West Coast Brewing 静岡県静岡市 3.97/5.0 90,279
4 MAHOWBREW 沖縄県那覇市 3.97/5.0 1,054
6 GRANDLINE BREWING 神奈川県横須賀市 3.92/5.0 1,063
6 Teenage Brewing 埼玉県比企郡 3.92/5.0 8,276
6 Amakusa Sonar Beer 熊本県天草市 3.92/5.0 5,898
9 Break Edge Beer Works 広島県広島市 3.90/5.0 1,810
10 TKBrewing 神奈川県川崎市 3.86/5.0 5,071
データソース: Untappdスクリーンショット、2025年6月2日現在

業界の課題と将来展望

直面する課題

価格設定の問題

クラフトビールの価格上昇が市場拡大の阻害要因に。高価格化により新規顧客の獲得が困難になりつつある。

流通・販路の制約

小規模醸造所では独自流通網の構築が困難。大手流通への参入障壁も高く、販路拡大が課題。

人材育成の課題

専門的な醸造技術者の不足と技術伝承が課題。教育機関の整備が急務。

将来展望

市場1000億円突破へ

2026年の酒税法改正を契機に、市場規模1000億円突破が期待。税制優遇により価格競争力も向上。

海外展開の加速

日本産クラフトビールの品質の高さが国際的に評価。アジア市場を中心に輸出機会が拡大。

テクノロジー活用

DXの進展により、小規模醸造所でも効率的な経営が可能に。プラットフォーム型ビジネスが拡大。


注意事項

  • 本レポートの情報は2025年6月2日時点のものです
  • イベント情報は変更になる可能性があります。参加前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください
  • 価格や販売状況は変動する可能性があります

この記事をシェアする

コメント