【毎週更新】🍻日本クラフトビール業界 5ニュース5月12日更新

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りほ

ITエンジニア兼ビアジャッジ

IT技術とビール愛を融合させた活動を展開中。日本のビアジャッジ資格保持者として2024年JGBAでの審査経験あり。現在はシアトル拠点で、日米のクラフトビール文化を比較しながら、情熱を注いでいます。趣味でビール関連アプリの開発も行っています(詳細はGitHubにて)。

ブルワリー向けにWebサイト刷新、SEO対策、AIを活用したペルソナ分析、プロンプトエンジニアリングなど、IT知識を活かしたサポートが可能です。「ブルワリーの魅力が正しく伝わる世界」を目指して、純粋な情熱でクラフトビールを応援しています。ビールとテクノロジーの融合についてご興味があれば、お気軽にご連絡ください🍻


日本のクラフトビール業界最新動向 2025年5月

市場概況

日本のクラフトビール業界は着実な成長を続け、2025年の市場は活況を呈しています。全国850カ所以上の醸造所が個性豊かなビールを生み出し、地域の特色を体現する新たな食文化として定着しつつあります。

市場状況

2022年度の国内出荷数量は4万3,745キロリットル、売上金額では360億6,500万円に達しました。2019年度比で出荷量は24%増加し、2020年から2023年にかけての市場成長率は約20%を維持しています。

醸造所数の推移

醸造所数は2015年頃から急増し、2025年5月現在で850カ所以上に達し、10年前の約3倍となっています。地域の特色を活かした多様なビールが全国で製造されています。

市場シェア

市場規模は1000億円弱と推定され、2026年には1000億円を超える見通しです。ただし、国内ビール系飲料全体に占めるシェアは約0.95%と、まだ小さい水準にとどまっています。

グローバル市場の成長

日本・米国・欧州
市場比較

アメリカでは市場シェアが約25%、欧州でも10〜20%を占める国もあり、日本市場には大きな成長余地があります。日本のクラフトビール市場はまだ発展途上で、2026年には市場シェアが3%に増加するという予測もあります。

出典: 日本クラフトビール業界団体連絡協議会, 2024

最近のニュース(2025年4月〜5月)

新製品ラッシュで夏に向けた準備

  • ヤッホーブルーイング「眠れるししし2025」(4月4日発売):長期熟成によって生まれる重層的な香りと深いコクが特徴のバーレイワインスタイル。一般的なビールと比べて10倍以上の熟成期間を経たプレミアム商品で、公式通販サイト中心の数量限定発売となっています。
  • 那須ボルダー計画「ホエイプロテインビール」(4月27日発売):那須塩原市の酪農とコラボした地域創生型ビール。本州一の生乳生産量を誇る同地域の牧場でチーズ製造時に生まれるホエイを活用したフリースタイルペールエールです。
  • コエドブルワリー×NEC「AI活用ビール」(4月1日発売開始、6月5日より順次出荷):NECの生成AI「cotomi」を活用し、各世代の特徴や価値観を分析した4種のビール。20代から50代までの各世代をイメージした「20’s PINK」「30’s BLUE」「40’s YELLOW」「50’s RED」が発売されます。
  • 群馬県卸酒販「願掛けビール」:世界初の「目入れができるビール」として発表。ダルマの目入れのようにステッカーを貼って願掛けビールを作る新感覚商品で、インバウンド客や若者向けのSNS映えするポップなデザインとなっています。
  • 伊勢角屋麦酒「伊勢茶エール2025」(5月1日発売):三重県特産の伊勢茶を使用した季節限定ビール。静岡茶とは異なる独特の香りと渋みが特徴で、地元の和菓子とのペアリングを楽しむイベントも同時開催されています。
  • Far Yeast Brewing「Tokyo Yuzu Saison」(4月15日発売):東京産の柚子を使用した夏季限定ビール。フランス産酵母と国産ホップ「ソラチエース」を組み合わせた和洋折衷のレシピで、インターナショナルビアコンペティションで金賞を受賞した人気商品の2025年版です。

ビジネス動向と業界変化

  • ビアEXPO2025開催情報発表:日本のクラフトビール誕生30周年を記念して、クラビ連が4月9日〜13日に幕張メッセで開催する大規模イベント。企業展示、ビアカンファレンス、ビアフェスを統合した日本初の大規模イベントとなります。
  • クラビ連による市場実態調査発表:2022年度のクラフトビール国内出荷数量が4万3,745キロリットル(2019年度比24%増)、売上金額が360億6,500万円に達したことが発表されました。国内ビール系飲料全体におけるシェアは約0.95%と、わずかながら上昇傾向にあります。
  • 大手スーパーマーケットチェーンによるPB展開:イオンやイトーヨーカドーなど大手小売業が各地域のブルワリーと提携し、プライベートブランドのクラフトビール展開を強化。低価格帯のクラフトビールを提供することで、一般消費者の認知度向上を目指しています。
  • クラフトビールD2C販売プラットフォーム「HOPS」ローンチ:クラフトビール専門のECプラットフォームがスタートアップ企業によって開発され、全国の小規模ブルワリーの販路拡大を支援。コールドチェーン対応の配送システムを構築し、醸造所から直接消費者へ届ける新しい流通モデルを提案しています。

今後のイベント:2025年夏に向けた主要ビアフェスティバル

イベント名 開催日 開催場所 特徴
けやきひろば春のビール祭り 2025年5月28日(水)〜6月1日(日) 埼玉県さいたま市 さいたま新都心けやきひろば 300種類以上のクラフトビール、入場料無料、48社参加
ニッポンクラフトビアフェスティバル 2025 in すみだ 2025年6月7日(土)・8日(日) 東京都墨田区 すみだ産業会館 40銘柄以上の樽生提供、「初夏のフルーツビール」テーマ、室内開催
SAPPORO CRAFT BEER FOREST 2025 2025年7月12日(土)・13日(日) 北海道札幌市 さっぽろばんけいスキー場 記念すべき10回目の開催、チケット4,500円(ビール券5枚分)
CRAFT BEER LIVE 2025 2025年5月24日(土)・25日(日) 大阪府大阪市 ATCピロティ広場 関西2府4県の醸造所集結、60店舗以上、入場無料(ビール1杯500円)
九州クラフトビールウィーク2025 2025年4月29日(火・祝)〜5月5日(月・祝) 福岡県福岡市 天神中央公園 39社108種類のビール、30周年記念イベント
横浜ビアシティ2025 2025年6月15日(日)〜6月30日(月) 神奈川県横浜市 赤レンガ倉庫イベント広場 神奈川県内の全ブルワリー25社参加、アートイベントとの連携企画
東北クラフトビアフェスティバル 2025年7月20日(日)〜21日(月・祝) 宮城県仙台市 勾当台公園市民広場 東北6県の全ブルワリー、復興支援チャリティイベント、地元食材フードコート
データソース: Beer Festival Info, 2025年5月現在

その他の注目イベント

  • 大江戸ビール祭り2025春(5月21日〜6月1日、東京 中野四季の森公園)
  • World Beer Gate 2025(6月7日〜8日、大阪 OSAKA FOOD LAB)
  • よなよなエールの超宴 2025(5月17日〜18日、群馬県 北軽井沢スウィートグラス)
  • オクトーバーフェスト2025 in 芝公園(5月16日〜25日、東京都 芝公園)
  • 京都クラフトビアカーニバル(6月22日〜23日、京都府 岡崎公園)
  • NAGOYA BEER MARKET 2025(7月6日〜7日、愛知県 久屋大通公園)
  • 沖縄クラフトビアガーデン(5月31日〜6月2日、沖縄県 那覇市国際通り)

醸造所の新規オープンとビールコンペティション情報

最近オープンした注目の醸造所(2025年2月〜5月)

Urban Brewing Tokyo

東京都渋谷区
設立日
2025年3月15日
醸造設備
600L×4基
代表ビール
Tokyo Skyline IPA (6.2%)
元大手ビールメーカーのブルワーが独立して設立した都市型マイクロブルワリー。日本の四季をテーマにした季節限定ビールシリーズを展開。醸造所に併設されたタップルームでは、醸造タンクを間近に見ながら出来立てのビールを楽しめます。自社開発のアプリで予約・注文ができるデジタル体験型の店舗運営が特徴です。

Mountain Stream Brewery

長野県松本市
設立日
2025年2月11日
醸造設備
300L×2基
代表ビール
Alpine Lager (5.0%)
標高1,200mの北アルプスの麓にオープンした醸造所。現地で採水される軟水を使用し、「山岳クラフト」をコンセプトにしたビール造りを行っています。創業者は地元出身のアウトドア愛好家で、登山やキャンプにぴったりの携帯性に優れた缶ビールを中心に製造。サステナブルな取り組みとして、地元の間伐材を利用した包装材や、水力発電による自然エネルギーでの醸造を実践しています。

Seaside Brewing Okinawa

沖縄県宮古島市
設立日
2025年4月20日
醸造設備
500L×3基
代表ビール
Tropical Island Ale (5.5%)
宮古島のビーチに面した立地にオープンした醸造所。沖縄の地元食材を積極的に活用したビール醸造を行い、島内で栽培されたシークヮーサーやパッションフルーツ、マンゴーなどを使った「トロピカルフルーツエール」シリーズが好評。醸造所には屋外テラス席があり、夕日を眺めながらビールを楽しめるスポットとして地元民だけでなく観光客にも人気です。自家栽培のハーブガーデンも併設しています。

DENTO Brewing Lab

京都府京都市
設立日
2025年3月1日
醸造設備
400L×3基
代表ビール
煎茶IPL (5.8%)
京都の伝統的な町家をリノベーションしてオープンした醸造所。日本の伝統と革新を融合させたビール造りをコンセプトに、京都の老舗茶舗と協力した「煎茶IPL」や、京都の米農家と連携した「京の米ラガー」などを製造。伝統工芸職人とコラボレーションした特別なラベルデザインも注目を集めています。月替わりで行われる伝統工芸の実演イベントも人気です。

ビールコンペティション情報

ジャパン・グレートビア・アワーズ2025

2025年2月開催
主催: クラフトビア・アソシエーション

国内最大級のビールコンテスト。金賞受賞ビールには、常陸野ネストビールの「さくらスタウト」(日の丸ウイスキーの熟成に用いた桜樽で熟成)や、石川酒造の「多摩の恵 デュンケル」などが選出されました。今年は過去最多の285ブルワリーから789銘柄がエントリーし、うち127銘柄が各カテゴリーで金・銀・銅賞を獲得。特に「ジャパニーズハーブ&スパイス」部門が新設され注目を集めました。

ジャパンブルワーズカップ2025

2025年2月開催
提携: チェコ「Gold Brewers Seal」

ビールの審査会とビールフェスティバルを融合した冬季における日本最大規模のクラフトビールイベント。チェコ最大のビール審査会「Gold Brewers Seal」と提携し、ブルワー(ビール職人)のみで審査を実施しています。今回は国内のみならず、アジア各国から48ブルワリーが参加し、国際色豊かな審査会となりました。最高金賞を受賞した「Matsumoto Winter Lager」(Mountain Stream Brewery)は、チェコで開催される国際コンテストへの出場権を獲得しました。

革新的な原材料と製法を使用したビール

  • 深蒸し茶IPA(Kyoto Beer Lab):深蒸し茶の香りと、柑橘・スパイスのホップの香りが相性抜群のビール。2号店「KBL THE GARAGE」オープンによる醸造設備の拡大に伴い新開発されました。
  • 蕎麦ふすま粉ビール:蕎麦の製造過程で廃棄されるふすま粉を有効活用した「アップサイクルクラフトビール」。サステナビリティ志向の高まりを反映した製品です。
  • BELGIAN WHITE with なるとオレンジ:淡路島特産の「淡路島なるとオレンジ」や地元酒蔵の米麹を使用。日本酒造り特有の製法をビール醸造に活かした特徴ある味わいを実現しています。
  • 山椒ペッパーエール(伊勢角屋麦酒):和歌山県産の山椒を使用した和のスパイスビール。ビールにほのかな辛味と爽やかな香りをもたらす独創的な一品です。
  • ヴィンテージバレルエール2025(Far Yeast Brewing):山梨県産ワイン樽で12ヶ月熟成させたバレルエイジドビール。ワインとビールの風味が絶妙に融合した複雑な味わいが特徴です。
  • 発酵バターミルクスタウト(VERTERE):酪農家と連携して開発された、バターミルクを発酵させて作るユニークなスタウト。乳酸菌による複雑な酸味とコクが楽しめます。

業界トレンド

Hazy IPAの人気継続

濁った外観と、ホップが生み出すトロピカルフルーツを思わせる香りや味わい、シルキーでまろやかな口当たりが特徴のHazy IPAが引き続き人気です。2024年のワールドビアカップでは、全9,300銘柄中326銘柄で最多の出品数となりました。

ノンアルコールクラフトビールの台頭

若年層を中心に健康志向や休肝日重視の動きが広がり、アルコール度数0.5%以下のビールテイスト飲料が増加しています。米国ではAthletic Brewing社などノンアル専門のクラフトメーカーが急成長しており、日本でもその波が到来しつつあります。

サステナビリティへの注目

欧米発の「サーキュラービール」(廃パン・余剰農産物活用)の概念が日本でも広がり、環境に配慮した紙製6缶パックホルダー導入や再生エネルギー100%醸造所など環境配慮型ビジネスモデルが登場しています。

パッケージデザイン・ブランディングの強化

視覚的魅力を活かした差別化戦略として、デザイン性の高いパッケージによる市場での存在感向上が進んでいます。アートとのコラボレーションやSNS映えを意識したデザイン開発が活発化しています。

ギフト需要の拡大

化粧箱入り商品を販売するブルワリーが増加し、「おしゃれな贈り物」としてのクラフトビールが定着。年中行事に合わせた季節商品の開発・販売が強化されています。

醸造DXの推進

IoTセンサーによる醸造工程の自動化・データ化や、AIを活用したレシピ開発など、テクノロジーを活用した醸造プロセスの革新が進行中。品質の安定化や効率化に貢献しています。

コミュニティブルワリーの広がり

地域住民や顧客が出資者となって運営する「コミュニティ型」ブルワリーが増加。クラウドファンディングによる資金調達と地域の絆を深める新しいビジネスモデルとして注目されています。

経済発展に関する醸造所情報

事業拡大の発表

アウグスビール株式会社

2025年2月に小田原に専用自社工場の生産を開始。OEM専用マイクロブルワリーとして設立され、ビール醸造だけでなくウィスキー蒸留にも対応。2024-2025年度の売上見通しは約3.38億円(黒字着地見込み)です。

Kyoto Beer Lab

2号店「KBL THE GARAGE」オープンによる醸造設備の拡大。新商品ラインナップとして「深蒸し茶IPA」「KBL THE GARAGE HAZY」などを追加し、醸造能力の増強による商品多様化を図っています。

UCHU BREWING

山梨県北杜市に新工場を建設し、年間生産量を3倍に拡大する計画を発表。Untappdで国内1位の評価を獲得する人気醸造所として、海外輸出の強化も視野に入れた設備投資を実施しています。

ヤッホーブルーイング

長野県東御市の新工場稼働により醸造能力が1.5倍に拡大。国内クラフトビール市場のトップシェア企業として、商品ラインナップ拡充と流通網強化を進めています。

資金調達ニュース

Best Beer Japan(ベスト・ビアー・ジャパン)

調達額: 2.1億円(Pre-Series Aラウンド)
発表日: 2024年12月6日

投資家にはヤマトホールディングス、株式会社ぐるなび、PE&HR株式会社(リード投資家)、埼玉りそな創業応援投資事業有限責任組合、アグリビジネス投資育成株式会社が名を連ねています。クラフトビール業界のDX推進として、醸造所向け業務管理ソフト「Keg Management」やビール樽のシェアリングサービス「レン樽」を展開しています。2025年にはクラフトジンやクラフトウイスキー取扱いシステム開発も予定しています。

Far Yeast Brewing

調達額: 3.5億円(Series Cラウンド)
発表日: 2025年3月18日

クラフトビール製造・販売事業を展開するFar Yeast Brewingが、アジア市場の本格参入を目的とした資金調達を実施。シンガポール・タイ・台湾市場への輸出拡大とブランド認知向上を図るための投資を計画し、現地パートナーと連携してアジア向け専用醸造ラインの新設を発表しました。日本のクラフトビールのグローバル展開の先駆例として注目されています。

施設投資や設備更新の動向

クラフトビール醸造所の設備投資傾向として、300L醸造設備の導入費用相場は2,000万〜3,000万円程度とされています。近年はオールインワンタンクシステムの普及により、1タンクで仕込みから発酵、冷却、熟成までを完結できるようになり、3坪程度の小さな醸造スペースでも運営可能になっています。初期投資額の低減により、新規参入のハードルが下がる傾向にあり、約500万円から始められる小規模ブルワリーの事例も見られます。

注目のテクノロジートレンドとしては、醸造工程のIoT化が急速に進展。タンク内温度や圧力の遠隔モニタリング、ブルワーの経験をデータベース化したAIによるレシピ提案システムなど、テクノロジーを活用した醸造品質の安定化・効率化の取り組みが広がっています。特に導入コストの低下により、小規模醸造所でもクラウドベースの醸造管理システムを導入する例が増加しています。

クラフトビール業界の課題と将来展望

課題

価格の高さ

クラフトビールは一般的なビールと比較して価格が高く、特に近年は価格上昇が見られることから、大衆への普及の障壁となっています。原材料費や人件費の高騰による値上げが相次ぎ、消費者離れを懸念する声も上がっています。

流通の限定性

コールドチェーンの必要性や小規模生産による流通範囲の限定性が、全国的な普及の課題となっています。特に地方の醸造所は配送コストやロジスティクスの問題から、販路拡大に苦戦しているケースも少なくありません。

シェアの停滞

醸造所数は増加しているものの、市場シェアは1%程度でほぼ横ばいとなっており、成長の限界が見え始めている可能性があります。醸造所の乱立による競争激化も一部で起きています。

人材不足

醸造技術者や専門知識を持つ人材の不足が業界全体の課題に。技術の伝承や教育体制の整備が求められており、国内の醸造スクールの充実や海外研修の活性化など人材育成の取り組みが始まっています。

将来展望

市場拡大の可能性

アメリカや欧州の事例を見ると、日本のクラフトビール市場にはまだ大きな成長余地があると考えられます。2026年には市場シェアが3%に増加するという予測もあります。

酒税法改正の影響

2026年に予定されている酒税法改正が追い風となり、市場規模が1000億円を超えるとの見通しもあります。税率の一本化による消費者へのプライス面でのアピールが期待されています。

サステナビリティの重視

環境に配慮した製法や原材料の活用、廃棄物の削減など、サステナビリティを重視した取り組みが今後さらに進むと予想されます。カーボンニュートラル醸造所や地産地消モデルなど先進的な取り組みが顧客支持を集めていくでしょう。

国際展開

日本独自の個性を持つクラフトビールが、アジアを中心とした海外市場へ展開する可能性が高まっています。和の素材や日本酒の醸造技術を活かした独自性のあるビールがインバウンド需要と輸出の両面で注目されています。

テクノロジーの活用

AIを活用したビールレシピ開発やブロックチェーンによる生産履歴管理など、最新テクノロジーを活用した取り組みが今後注目される可能性があります。デジタルマーケティングの高度化も進み、顧客との関係構築にテクノロジーが重要な役割を果たすでしょう。

Untappd日本リージョン人気ブルワリーランキング

順位 ブルワリー名 所在地 平均評価 レーティング数
1 Inkhorn Brewing 東京都 豊島区 4.02/5.0 15,518
1 UCHU BREWING 山梨県 北杜市 4.02/5.0 64,944
3 Totopia Brewery 愛知県 長久手市 3.98/5.0 12,612
4 West Coast Brewing 静岡県 静岡市 3.97/5.0 88,877
5 GRANDLINE BREWING 神奈川県 横須賀市 3.92/5.0 1,028
5 Teenage Brewing 埼玉県 比企郡 3.92/5.0 7,952
5 Amakusa Sonar Beer 熊本県 天草市 3.92/5.0 5,852
8 Break Edge Beer Works 広島県 広島市 3.90/5.0 1,779
9 TKBrewing 神奈川県 川崎市 3.86/5.0 5,031
10 Thrash Zone 神奈川県 横浜市 3.85/5.0 3,468
10 Son of The Smith Hard Cider 長野県 大町市 3.85/5.0 1,836
12 Open Air 兵庫県 神戸市 3.84/5.0 8,732
12 Kanpai! Brewing 東京都 文京区 3.84/5.0 2,702
14 Nomcraft Brewing 和歌山県 有田市 3.83/5.0 13,041
14 B.M.B Brewery 宮崎県 宮崎市 3.83/5.0 1,687
データソース: Untappd, 2025年5月12日現在

2025年 注目のビアスタイル予測

ライスラガー

日本産米を使用した「ジャパニーズライスラガー」が国際的に注目されています。日本酒造りの技術を応用した醸造方法で、クリアな飲み口とほのかな甘みが特徴。国内外のコンペティションでも高評価を獲得し始めています。

ロウABVビール

アルコール度数3%以下の低アルコールビールが健康志向の若年層に人気。ノンアルコールビールとは異なる独自のカテゴリとして、フレーバーの複雑さを維持しながらアルコール度数を抑えた「セッションエール」などが注目を集めています。

シトラスサワーエール

乳酸菌発酵とシトラス系フルーツを組み合わせたサワーエールが夏季の人気スタイルに。暑い気候での爽快感と、レモンやゆず、柑橘類の芳醇な香りが夏季の需要を高めています。

コールドIPA

IPAとラガーの特性を併せ持つハイブリッドスタイル。ラガー酵母を通常より高温で発酵させ、ホップの香りを重視したクリアでドライな飲み口が特徴。Hazy IPAに続く新トレンドとして注目されています。

木樽熟成ビール

ウイスキー樽や日本酒樽、ワイン樽などで熟成させるバレルエイジドビールの多様化。単一種類の樽だけでなく、複数種類の樽で熟成させたブレンドタイプも登場し、ビールの複雑さと奥行きを追求する高級志向のスタイルとして定着しつつあります。

情報ソースと参考文献:

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